日本音楽著作権協会(JASRAC)は16日、長期契約者への感謝状贈呈、第5回JASRAC音楽文化賞贈呈などの授与式典を東京都内のホテルで行った。
長期契約者とは、飲食店や旅館などの施設において、生演奏やカラオケの利用で30年以上にわたって利用許諾契約を締結している施設のこと。今回の感謝状贈呈対象者は2163人。贈呈式では対象者を代表し、岐阜県下呂温泉にある水明館の瀧多賀男会長らに感謝の盾が授与された。
続いて、第5回JASRAC音楽文化賞の表彰が行われ、戸ノ下達也、普久原恒勇、備瀬善勝の各氏、鳴門「第九」を歌う会が表彰された。JASRAC音楽文化賞は、売り上げや利用実績などの数字には表れない地道な活動を行っている個人、団体、作品などに光を当て、音楽文化の発展に寄与した功績をたたえ顕彰することで、今後の活動への励みにしてもらう目的で、2014年11月に創設された賞。顕彰候補は、全国各地の報道機関などから寄せられ、有識者で構成する選考委員会によって選考された。
そのほか、東日本大震災からの復興と被災地の音楽文化の振興を目的に、JASRACの会員、信託者(作詞者、作曲者、音楽出版者など)が指定した作品の著作物使用料を寄付する「こころ音基金」の支援先として、宮城県石巻市(亀山紘市長)が選ばれたと発表された。同市の複合文化施設建設費用の一部として活用してもらうべく、基金から1500万円が寄付される。
JASRACのいではく会長は、「JASRACは、音楽が世の中の役に立っているということに、喜びを表したい」などと述べた。
JASRACいではく会長(左)と水明館瀧会長